2006年12月17日日曜日

オコナーはどこなー?

 って、駄洒落を言っている場合ではないのです。

 話は前後しますが、「胡壷:KOKO」5号の納富さんの「私のきままな愛着本紹介」を読んで大いに読書欲をそそられ、紹介されていた『石の葬式』を取り寄せて読み、感想をこのブログに書いた。それで一件落着のはずなのだが、納富さんの文章にフラナリー・オコナーのことが書かれているのを今日になって不意に思い出し、再読した。

 フラナリー・オコナー? あ。 
 一気に、記憶がフラッシュ・バックしました。
 以前、ブログが登場する前にHTMLだか日記CGIで日記を書いていた頃、フォークナーの幾つかを読んで感想を書き込んでいたら、アメリカのフロリダに留学している女性からメールをいただいて、それから何回かメールの往復があった。アメリカでも学生はあまりフォークナーを読んでいないとか、そういう内容のメールで、そこに確か、もっときちんと読まれるべき作家としてフラナリー・オコナーの名前が上げられていたのです。フラナリー・オコナーなんて、初めて聞いた時には男性作家だと思っていたくらい、何も知りませんでした(恥ずかし)。
 それで、オコナーの本を検索し、新潮文庫に「フォークナー短編集」と同じデザインの「オコナー短編集」があるのを知り、ほかにも検索にかかった「善人はなかなかいない―フラナリー・オコナー作品集」と、2冊をまとめてオーダーしたのでした。
 しかし、それが未だに未読で、本がどこにあるのかさえ判らない。子供が成長するにつれて居場所も本の置き場所も狭められていって、平積みになったりダンボール箱に詰め込まれたりして、記憶にあっても容易に見つけられない本が多くなってしまったのです。
 (だからといって本がそんなに多いのではないのです。整理の仕方が下手なだけです)
 ただし買った本を読まずに仕舞ってしまうなどということは普通はありえません。
 折悪しく、病を得た父親が腰椎に転移した癌細胞によってある日突然に歩行できなくなり、老いた母親にそれをさせるのは酷なので、それから亡くなるまでの丸一年間、夜は父親のベッドの横で眠りました。その一年間はあまり本格的な読書は出来ませんでした。
 葬儀となると、兄弟、親戚などが家の中の物をいったん片付けてくれるのはいいのですが、どこにしまわれたか後で見つからないものが結構あるものです。オコナーの三冊も未読のまま行方不明になってしまい、オコナーの本を買ったという記憶さえもが、悪くなりつつある脳の喪失の底に沈んでしまったのでした。

 それが納富さんの文章で蘇ったのですが、……かなり老化がひどいということでショック……。(でも、親の葬式をすると健忘症というか、部分的に一種の記憶喪失になりますし、あの一年間の記憶自体がかなり飛んでいます)
 ひょっとすると、仕事用の倉庫の隅に置いてあるダンボール箱のひとつに入っているのかもしれません。フォークリフトで高い所に揚げてあるのですが、まさかあそこのダンボールに? ウァーン・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )ナクナ
 でも、探し出しても半端な気持ちでは読み始めない方がよさそうです。読むなら本気でないと弾き飛ばされそうです。 

因みに以下は、検索で探し出した「オコナー短編集」の表紙と、偏愛する「フォークナー短編集」の表紙です。同じシリーズなので装丁がそっくりです。

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それから、もどこかにあるはず。
「オコナー短編集」と「善人はなかなかいない―フラナリー・オコナー作品集」は品切れ.。

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 でも実を言うと、その後(2003年に)、筑摩書房から『フラナリー・オコナー全短編』(上・下、各3,780円)が出ているんですね。
 自分で陳列、自分でオーダーということが相当多い、自作自演書店である洞窟書房の「手も足も出ない本」コーナーに陳列してみました。(爆)
 3,780円×2=7,560円。「ジャン・メリエ遺言書」や「カイエ」に比べたらずうっと安いですが、2冊の短編集を読んでもっと読みたいと思ったらの話でしょう。

 ついでにRSSリーダーのキーワードに「フラナリー・オコナー」を登録したら、すかさず25件の記事がヒット。
 キーワード、作家の名前のオンパレードでだいぶ混雑して来た。やはり、登録ブログの更新確認をFirefox、キーワード登録による更新確認をRSSリーダーにと分業させてよかった。
 

9 件のコメント:

  1. オコナーは、短編集を読む前に、「秘儀と習俗」を読んだほうが、作品への理解が早いような気がします。オコナーの短編には作者だけが分かっている意味づけというか、いきなりぽんと放り出されて、なぜこの結末? と考えこむ短編があり、「秘儀と習俗」を読んで、ああ、そうなのか! と目からウロコが落ちるように分かりました。理論としてではなく。彼女を理解するとともに、小説を書く人間には、とても良い手引書のような気がします。
    でも、「秘儀と習俗」はもしかしたら、手に入りにくいのではないかと思います。
    ところで、コルタサルはいいですね! どんどんはまりますね。「刑事コロンボ」なんて言ってゴメンナサイ。突然の場面の変化。一瞬の間に、別の情景がきっちりと入り込む手腕は凄い。そしてまた時間と空間が飛び、そこに衝撃的な真実が現れる。「すべての火は火」「正午の島」「病人達の健康」「コーラ看護婦」どれもすごく面白い。ラテンアメリカ文学には短編が多いらしく、まだ知らない作家のものも、少しずつ読んでいきたいと思っています。
    私事ですが妹の婚家が、木曾福島の近くの日義村です。木曾の山が福岡のなだらかな山とは形が違ってて、尖っていたのが、印象的です。御岳さんが雪をかぶって綺麗でした。

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  2. ありがとうございます。
     「秘儀と習俗」は古書検索でもなかなか出て来ません。スーパー源氏で8,000円が一点、AMAZONで10,000円が一点だけヒットしました。かなり厳しいですね。あせらず時間をかけて検索してみます。(て、もうむきになってますが……私、何を隠そう古書検索の鬼で、無いといわれれば余計に燃えてしまいます)
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    追記
    その後の検索で、福岡の西隣の県の古書店の在庫一覧に1,500円で1冊ありました。ちょっと更新の日付が古いので、在庫確認のメールを出しました。
    文学ではなく「アメリカ史」の分類に混ざっていましたし、どうも脱サラUターンの古書店のようですので、そのまま在庫があると睨んでいるのですが、在庫ありの返信があれば、大喜びですね。
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    コルタサル、
    >突然の場面の変化。一瞬の間に、別の情景がきっちりと入
    >り込む手腕は凄い。そしてまた時間と空間が飛び、そこに
    >衝撃的な真実が現れる。
     まさに、そうなんですよね。あれっと思った瞬間にもう何かが変わっているんです。たった一行で変えてしまう凄さがあり、唖然とすることがありますます。
     
     日義村ですか。木曽は山が近くて慣れないとちょっと息苦しい感じもしますが、でも国道から少し離れると静かでのんびり暮らすにはいいところですね。

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  3. いちまんえん?! そんなに手に入りにくいとは。
    発行所の春秋社では、1982年に初版第1刷発行で、1999年に新装版第1刷発行、となっています。私も最初は図書館で借り、その後、ジュンク堂の棚(問い合わせても、ない、という返事ばかりだったのに、なぜ突然?)でばったり出会うまでには何年かかかりました。1500円の本が残っていることを祈ります。(私は2500円で買いました。)なるほど、アメリカ史ね~。そう思われても仕方がないタイトルですよね。
    浮気な私は、いまエッセイ『ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界―』に入っています。グリム伝説のこの話は、実は実際に1284年にハーメルンで130人の子どもたちが消えた事件をもとにしている、ということです。「阿部謹也のこの本を少年の頃に読んでショックを受けた」と赤川次郎が何かに書いていたので、興味をひかれて、ネットオークションで手に入れました。笛吹き男が登場したのには、複雑な歴史背景があるようで、今からゆっくりと読んで、それからまたコルタサルに戻るつもりです。読みたい本ばかりですのに、エネルギーがなく、すぐ疲れる自分がもどかしい。

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  4. たった今、古本屋さんから在庫ありの返信がありました。
    やったァ! うれしい! 
    今日の内にメール便で発送してくれるとのことでした。
     そういえば、中国の残雪という女性作家の「廊下に植えた林檎の木」という本がなかなか出なくて、ずっと探していました。
     あまりに見つからないので、翻訳者にメールで増刷の予定はありませんかと問い合わせをしたら、その予定は無いということで、気の毒に思ってか表題作のWordファイルを添付ファイルで送っていただいて、それを読んだことがあります。
     その後も検索は続けていましたが、たまにヒットすると8,000円とか法外な価格ばかりでした。
     ある時ふと、それまで利用したことが無かった「e-book off」で検索したら、何と、800円で一冊あるではありませんか。その場で入会しID、パスワードを取得し、速攻でオーダーしました。
     こうなると、ただの古本マニアに近いですが……。

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  5. 残雪の「廊下に植えた林檎の木」!
    何と、私はこの本を樋脇さんに貸してもらって読んだんですよ! 樋脇さんが、すごく好きな作家だ、と言ってます。変わった作風ですね。妙に印象が強くて、ぞっとするほどでした。私も欲しいと思って、いろいろ調べましたが、手に入れることが出来ないままなのです。羨ましいです。
    オコナーの「秘儀と習俗」は良かったですね!
    最初の一章は他とは色合いの違うクジャクの話が書いてありますが、生き生きとした文章です。あとはがらりと変わります。だんだんに読んでいくと、奥が深いのです。それに、厳しい。
    私は、小説を書いていてうまくいかず、ひどく落ち込んだとき、この本を読んでは、その厳しさと真っ向からくる信念に何度も励まされました。
    彼女は自分の命が長くはないことをきっと何度も考えたでしょうに、ひとことも、そういうことを書いていない。(命が短いのは人間みな同じだとは言ってますが。)前向きに書いています。だからこそ、真剣な思いが伝わってくるのでしょうね。

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  6. 樋脇さんが「廊下に植えた林檎の木」をお持ちでしたか!
     私が入手した後でそれを知ってよかったです。
     そうじゃないとそちらまで遠征し、樋脇さん宅を襲撃して強奪していたかもしれません。私も立派な(?!)残雪オタクなのです。
     今は「突囲表演」だけがないので随時検索続行中です。
     自慢みたいで申し訳ありませんが今年の4月30日の記事をご覧下さい。
     そういえば「カッコウが鳴くあの一瞬」は北九州市の古書店に1,000円であります。他にもありますが、今のところこれが最安値です。
     ご存知かもしれませんが、このブログの右サイドバーのBookmark、一番下に中国文学小屋がありますが、訳者の近藤直子さんのウェブです。
     残雪の自伝的小説「泡沫」のほか、評論、小説が幾つか読めます。

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  7. 見ました! 参りました! 何とすごい…。樋脇さんの顔が目に浮かびます。襲撃されないように。
    お父様の看病で空白だった日々から不意にこぼれ落ちてきた、これもひそかなファンが多いオコナーの本の話から、あの残雪にたどり着くなんて。不思議な感じです。
    残雪は繰り返し読みたい本ですよね。難解なのですが、妙に心の奥の闇に通じる印象の深いものがあります。私も、樋脇さんに本を返すのが残念でしたが「これは、私の、すご~く、大切な本なんだからねっ」と借りるときに、しっかり念を押されていたので、返しました。今になってみると、そんな大事な本を、よく貸してくれたなあ、と感激です。

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  8. 初めまして。
    「アルツハイマー・イブ」と申します。
    先ほどアクセスログを眺めておりましたら、いきなりこちらに飛んでまいりました。
    私のblogをブックマークされていらっしゃるのを拝見いたしまして、大変光栄に思っております。
    『オコナー短編集』は当然持っております。ボロボロですけど。(笑)
    今見ましたら、昭和50年、第二刷になってました。
    こちらは、大変濃密な印象を受けました。また寄らせていただきます。

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  9. Wha、もう勝手にリンクさせていただいたのがバレてしまいましたか。
     17日の記事に書かせていただきましたが、alzheimer様(何かヘンな言い方ですが……)の過去記事のなかに読ませていただきたい記事がたくさんあり、先ずは自分のためにリンクを置かせていただきました。
     こちらこそ、よろしくお願いいたします。

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