夕方、菜園の隅で茗荷竹(ただの茗荷の若い茎)を初採り。降り続いた雨のせいか、水っぽく、風味がやや薄い。茗荷そのものより風味はおとなしいが、それでもこの時期に茗荷の味が楽しめる。夏に、ナス、キュウリ、茗荷を刻み、激辛唐辛子の薄切りを混ぜて醤油漬けを作るのだが、茗荷の代わりに茗荷竹を代用して作ってみよう。ナスとキュウリはスーパーマーケットで売られているものを使う。激辛唐辛子は真空パック袋に封入して冷凍してあり、一年中使える。
白いご飯の上に載せてもいいし、酒のつまみにもなってご機嫌二倍。
マリー お婆さん、何かお話をして!
子供たち おばあさん、おばあさん、お話をしてよ! しつ! お婆さんお話をするのよ。しつ。お話をしてよ、おばあさ
老婆 昔々......
��子供たち老婆の周りに立つたり、しゃがんだりする。マリーも交る)
昔々、可哀さうな子供がゐた、
お父さんもお母さんもゐなかつた、
みんな死んだのだよ。
そして世の中には誰もゐなくなつた。
みんな死んだ。
そこでその子は探しに出かけた。
晝も夜も。
ところがこの世にはもう誰もゐなかつたので、
天に昇ろうとした、
するとお月様がその子を優しくごらんになつた、
ところがその子がやっとお月様の所へ行つてみたら、
それは一本の腐つた木だつたとさ。
そこで今度はお日様のところへ出かけた、
そして着いてみるとそれは萎んだ向日葵の花だった、
今度はお星様の所へ行った、
ところがそれは串刺しにされた小さな金色の蚊だつたとさ、
ちやうど鵙(もず)がリンボクの棘へ蚊を刺しておくやうにだよ、
そこでもう一度この世へ歸らうとしたら、
この地球はひつくりかえつた瓶(かめ)だつたとさ――
そしてほんたうに獨りぼつちになつて、
坐つたまま泣いてゐた、
今でもそこに坐つてゐるんだよ、
ほんたうに獨りぼつちでなあ
��青木重孝訳『ゲオルク・ビューヒネル作品全集 ダントンの死 外四篇』白水社・昭和16年、より)。
......また「北京の秋」をはじめ、ヴィアンの諸小説と、マッコルランの『反吐の家』の類縁関係は注目に値する。と書かれている。