ネット上で知り合いとなった方の紹介といった形で、大阪市で発行されている「あるかいど」45号、40号記念号を同人の方から送っていただいた。
記念号は本文416頁、45号も254頁で、同人が少なく薄い雑誌の発行人は驚くやら羨ましいやら。
本日届いたばかりなのでまだ作品は読んでいないが、45号では「東日本大震災特集エッセー」が組まれ、何と21名の方が真正面からこの災厄について書かれていて、私のようにいまだに凹んだままの者にとってはとても大きな刺激だ。じっくり拝読しよう。
眼にて云ふ 宮沢賢治
だめでせう
止まりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないのがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。