近年、盆踊りの音量も絞られて案外静かなものだが、今夜は送り火を焚いて最後の夜なので、隣の町内会の盆踊りの民謡が、開け放たれて網戸だけになった北側の窓から否応なく入って来る。流れてくるのは相変わらず「炭坑節」と「木曽節」、「佐渡おけさ」が反復される。まれに「オバQ音頭」なるものも流れてくるが、それはもう、十年、二十年前とまったく変わりない。今夜が何年の8月16日なのか考えると、ふと眩暈がする。2007年、ずいぶん遠くへ来てしまったような気がする。
盆踊りから意識をそらせるためと気分転換に、「王の主題による各種のカノン」[10:10]を三回繰り返している間に、ピタッと民謡が止まった。まだ午後9時であるが、今は昔よりお行儀が良いというか元気がない。踊り手も少ないようだ。
などと、ふわふわした頭で『はまむぎ』と『オディール』の解説を先に読んだ。
どちらを先に読むか、まだ決めかねているからだ。
ちらちらあたっているうちに、なぜか、ル・クレジオの『テラ・アマータ(愛する大地)』を思い出していた。
『オディール』のロランとオディール、『日々の泡』のコランとクロエ、『愛する大地』のシャンスラードとミナ。
ますます迷ってしまいます。
『オディール』の解説に、ジョルジュ・リブモン=デセーニュの名が出て来た。
……わたしは首を吊ったあのひとのお嫁さんになるの……うろ覚えだが、確かジョルジュ・リブモン=デセーニュの詩劇のなかの
セリフだったような気がする。
さて、あれは『黒いユーモア選集』に入っていたのだっけ? そういえば河出文庫で『黒いユーモア選集』が出たようだが、国文社の版をそっくり文庫にしただけなのか、それともどこか違うのか? 『スナーク狩り』ほど気持ちが動かない。
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