フラナリー・オコナーの短編『森の景色』と『家庭のやすらぎ』の読後感が、少し言葉になってきた。
「森の景色」では、主人公であるフォーチュン老人が、血がつながる者のなかでもっとも愛しているはずの孫娘を、よりによって殺してしまうのです。
昨今のTVニュースを席巻する「身内殺害事件」のあまりの多さと通底するものがあるような気がし、オコナーがなぜ「殺人」に執着したか得心してしまいそうになります。
(主人公のフォーチュン老人の姿が、一瞬、映画「エデンの東」のではなく、「ジャイアンツ」のラストシーン近くの、老けたジェームス・ディーンとイメージが重なったのはなぜ?)
その勢いで次の「家庭のやすらぎ」も読了。
この作品に登場し主人公に嫌われるニンフォマニアックな少女も、どこかで見知ったような近しげな存在なのだが、結末で主人公が彼女を殺したのかと思ったらそうではなく、彼は誤って自分の母親を殺してしまったのだった。
オコナーは、まるで神の真摯な代理人であるかのように、自分の作品世界の人物の運命を真摯に翻弄する。
あと一作でこの単行本は終るが、問題は新潮文庫の方だ。本文の用紙がだいぶ酸化して赤みを帯びて来ている上に活字が小さくて、老眼が始まっている身には読みにくいことはなはだし。「フラナリー・オコナー全短編(上下)」を買った方が早いのかもしれない。上下で8,000円近い。川上弘美「真鶴」も単行本で一気読みしたいし……とほほのほ。
けれどオコナーには触発された。
やはり、結果として何事かが起こる小説を書かなければいけないのだ。
もっと固ゆで卵にならなくてはいけない。
固ゆで卵ですか。私はいまスクランブルエッグになっております。「真鶴」差し上げます。発情中の猫にマーキングされそうですので。
返信削除スクランブルエッグですか。生卵ではゆるゆる崩れそうですので、かっこ良くハードボイルドにと思いまして……。
返信削除「真鶴」、申し訳ないからいいですよ。
いえいえ、押し付けがましくて申し訳ないのですが、いま溢れている本を整理していて、オコナーや残雪ほか、愛着のある少数の本を残して、あとは全部処分するつもりでいます。本が好きで貰ってくれる友達はいるのですが、彼女は「真鶴」は読んだよ、というので。ゴミとして捨てるにはしのびません。貰ってくださると、本も浮かばれます。勝手に送ります。
返信削除ありがとうございます。あの文章、楽しませていただきます。
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