2007年1月16日火曜日

『動物哀歌』

 毎月15日恒例の赤提灯で酩酊、帰宅。

 雁の声

雁の声を聞いた
雁の渡ってゆく声は
あの涯のない宇宙の涯の深さと
おんなじだ

私は治らない病気を持っているから
それで
雁の声が聞こえるのだ

治らない人の病は
あの涯のない宇宙の涯の深さと
おんなじだ

雁の渡ってゆく姿を
私なら見れると思う
雁のゆきつく先のところを
私なら知れると思う
雁をそこまで行って抱けるのは
私よりほかないのだと思う

雁の声を聞いたのだ
雁の一心に渡ってゆくあの声を
私は聞いたのだ
        村上昭夫詩集『動物哀歌』思潮社1975年5刷1,200円

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 ちなみに現在は思潮社から現代詩文庫で『村上昭夫詩集』が出ているが、『動物哀歌』自体は1967年に「Laの会」から出た版、続いて1968年に思潮社から出た版、そして1972年に「みちのく社」から出た版、平成5年「動物哀歌の会」の版の4種類が存在する。
 私が持っているのは思潮社版の5刷だが、古書価格1,000円から9,000円。
 驚くのは「Laの会」から出た版の署名、識語入りが168,000円、署名なしが126,000円。

 村上昭夫本人の生涯については、末弟、村上成夫氏の手になる動物哀歌・村上昭夫資料室というウェブサイトがあります。

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