2008年6月21日土曜日

丸ズッキーニ物語・完結篇

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「ネエ、お兄ちゃん、ぼくたちもう大人になっちゃったんだね」
「そうさ、この家のおばちゃんがスライスしてドレッシングで食べるとおいしいとか言って、ご主人が若採りしたのさ」
「ぼくたち、もう、食べられちゃうの?」
「そうさ。おれたちはカボチャの仲間なのに人間に食べられやすいように品種改良され、ズッキーニなんて恥ずかしいくらいにイタリアンな名前を付けられ、種として売られ、播種され、育苗され、畑に植えられて成長し、そして人間に食べられて一生を終えるんだ」
「そんなの嫌だよう」
「嫌だって仕方ないさ、それが丸ズッキーニ、グリーンエッグとしてこの世に生を受けたおれたちの宿命なのだから」
「あれ? お兄ちゃん、後ろに居るの、だあれ?」
「むふ。おれの彼女に決まってるじゃん」
「お兄ちゃん、グーグー寝てばかりだと思っていたらいつの間に。わあ、すごい美人だねえ。ぼくなんか、恋人も作れないうちに収穫されて食べられちゃうんだもの。哀しい」
 

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