2008年6月25日水曜日

小説としてまさにジャンク

 今回私が同人誌に掲載した作品を読んで戸惑いを感じておられる方が多い。それは最初から判っていたことで、もはや小説の形を成さない場所に追い込まれている証明にすぎなかったのかもしれない。

かつてNHKで放映された番組である「THE WORLD OF GLENN GOULD 」。これは、今は亡きカナダのピアニスト、グレン・グールドのテレビ版の評伝なのだが、You Tubeに5つに分割されてアップロードされている。
そのなかのパート4の後半部分に、グールドが製作にかかわったラジオ・ドキュメンタリー、「北の理念」に触れられている部分がある。
ここでは複数の人物がまったく無関係に同時にしゃべっている。



私はいつか「北の理念」のような小説を書きたいと思い続けて来たが、これがなかなか難しい。
芥川龍之介の「薮の中」も複数の人物の視点で書かれているが、彼らは視線の先に同じ一つの事件について語るという共通項を持っているので、小説としての統合性は損なわれない。
それに比して、「北の理念」や私が書こうとしたものには、それぞれの人物を統合するものに乏しい。小説としてまさにジャンク品、破片や部分を置いただけなのかもしれないが、部分で全体をイメージさせるという方法もあって、何も全体を律儀に書く必要はどこにもないともいえる。
創作の迷宮にいるようなものです。

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