訳の解らないものを書いたなと思われても仕方ない畸形の小説だが、こんな風に読んでくれた方がひとりでもいれば、これで十分。一語一句、的をえていて、反論の余地0%。
父ではないかも知れない父を殺し、母ではないかもしれない母を殺し、自分の子供までも殺す。いや、殺人ではない。殺人という「決定的なこと」さえ曖昧な、造られた世界。真実は永久に隠されたまま、読者と主人公を、そして作者さえ置き去りにする。小説を書くということの不条理に目覚めたのが「メタフィクション」だと思います。ナブコフの「青白い炎」を読んだ以来の新しい読書体験でした。物語も桐野夏生の小説のような「刺激的」「今日的」ものです。知識人である「創作日記の作者」の読書記録から立ち上った亡霊のような物語が、上段の「涙を流す」「涙を流さない」小説世界なのです。鏡は左右対称に映りますから。そして、下段の創作日記も偽物なのです。「真実はつねに隠されている。そう思えば何でもないことです」と、審問官は言います。審問官こそこの小説の作者なのでしょうか・・・・。
感想を「ううっ」と唸りつつ拝読いたしました。文学の素養も蓄えもない当方の感想ですが、書かせてもらいます。
返信削除「劇中劇」のような、「作中作」と言うのでしょうか、意表を突いた構成です。上下段が響き合って、併せて私小説のように読みました。下段はブログで読んでいたのですが、こうやって抜粋されると上段との同時進行が奇妙な感覚を呼び起こします。共感しながらどんどん読み進み、やがて身につまされる思いでした。上段の「わたし」の繊細な感性が印象的です。
hiwakiさん、感想をありがとうございます。
返信削除つくづく、こういう読みにくく、感想の書きにくいものは書くべきでないなあと反省しました。書くことの迷宮に頭を突っ込んでしまった者は、迷宮から抜け出るまでは書くことを遠慮した方がいいと思いました。
今後は、雑誌発行や編集の裏方に徹することにします。
読みやすかったですよ。自分に引き付けて、どんどん読み進みました。感想が書きにくいかどうかは感想を書く側の問題なので、存分に作品を書いていただきたいです。私の場合、どの様な作品であろうと感想を書くこと自体が困難です。「書くことの迷宮」を私も覗いてみたいです。次作を待ってます。
返信削除ありがとうございます。
返信削除そう言っていただけると少し気が楽になります。