ショーワ・ヘイセイ時代が1700年あまり前のことと書かれているから、近未来小説ではなく未来小説か遠未来小説とでもいうべき世界だ。ただし書かれているのはルチファーというひとりの女性をめぐる契約婚の夫、それとは別にルチファーをもてあそぶユーニと、その兄であるジュ-イによって展開される。ことにジューイは粗野な乱暴者で、弟ユー二からルチオファーを奪って自分のものにしてしまい、さらにルチファーの契約婚の相手であるアルヒーをあっさり殺してしまう。
ジューイの粗暴な言動を見ていて、ふとW・フォークナーの粗暴な人物であるポパイのことを思い出してしまった。
ジューイはガンであることが判明した母と眠らせたルチファーとロボットR7とともに飛行車に乗ってこの国を脱出、太平洋の地底と水中に都市を建設している島国をめざす。
ボリス・ヴィアンやアルフレッド・ジャリに慣れ親しんだせいか、こういう荒唐無稽も嫌いではない。ただし、時代がなぜ昭和・平成から1700年(17世紀後!!)に設定されたのかがいまひとつ解らない。むしろ現代の設定でこの人物たち、このストリーで書いたとしたらどうなったか?そんなことを考えた。
それから、もう一点、読み始めは弟ユーニが主人公であったはずなのに、いつの間にか転轍機が切り替えられたみたいに兄ジューイが主人公の小説になっていた。このことにちょっと違和感を感じた。
ちらちら雪も舞い始め、厳寒の地では家庭菜園も3月まで用はないので、この冬は工作でもして過ごそう。
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