2008年8月22日金曜日

変な構造の家

 「痕(ヘン)」に比べればずっと短い。「不思議な木の家」をあっという間に読了。なぜか、コルタサルの「占拠された屋敷」や、ボリス・ヴィアンの戯曲「帝国の建設者」を思い出した。ちょっと道を外れて「帝国の建設者」を読み返したくなった。この戯曲に登場する家族(父親、母親、娘、女中)も、外から聞こえてくる奇妙な音に追い立てられるように上の階、さらに上の階へと逃げ上がって行く。上へ行くほど部屋は狭くなり、しかも家族がひとりずつ居なくなり、最上階では父親ひとりだけになる。この家も変な構造の家である。
 ただしもうひとりシュミュルツという全身包帯だらけで襤褸をまとった男が登場する。彼はどの幕(どの階)にも姿を見せているが、自らは何もしない。ただ居るだけで、折に触れてはこの一家の誰かに叩かれたり蹴られたりする妙な存在である。





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