2006年8月31日木曜日

初めと終わり

 英語でAlpha and Omegaを主語にした文章をweb翻訳などの機械翻訳にかけると、「アルファとオメガは……」ではなく、「初めと終わりは……」という翻訳結果が表示されることがある。アルファがギリシア文字で最初の文字であり、オメガが最後の文字であるからだ。「黙示録」においてイエスが「わたしはアルファでありオメガである」と言ったのも、「私は初めであり終わりである」という意味であったらしい。
 恋人とのトラブルからピストルが暴発、左手薬指を失ったムンクは、やがてノイローゼとなり二年間病院に入院するが、そこで描かれたのが、散文詩画集である「アルファとオメガ」である。
 ムンクが「黙示録」をどの程度意識していたかは不明だが、ムンクの女性に対する不信感や絶望がこのような寓話として具体化したようだ。
 女性がこの寓話を読めば反発するかもしれないが、すべての女性がオメガであるというのではない。
 ただし、可能性としてオメガのような女性がひとりでも存在するとすれば、この寓話にリアリティが保障される。こんなことはありえないという視点からは小説という文学は生まれない。

 アルファとオメガの全文を発見して日本語化を考えてからずっと、この寓話と小説との連動をしきりに考えている。しかしむずかしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿